ホームネットワーク(家庭内LAN)において、DLNAクライアントになれる機器、および、
ソフトウェアについて説明します。
つまり、ホームネットワーク(家庭内LAN)に接続された DLNAサーバーに保存されたコンテンツ
(動画/音楽/静止画)を、ストリーミング再生することができる機器、および、ソフトウェアに
ついて説明します。


この記事では、コンテンツとしては、テレビ番組(録画したもの、放送中のものともに)は
対象外とします。家庭内で、DTCP-IP対応DLNAサーバーに保存されたテレビ番組をDLNA規格に
従ってストリーミング再生可能な機器については、以下の記事を参照してください。
 ・ DTCP-IP対応DLNAクライアントになれる機器/ソフトウェア


テレビ番組以外のコンテンツについて、DLNAサーバーとなれる機器については、
以下の記事を参照してください。
 ・ DLNAサーバーになれる機器(テレビ番組以外のコンテンツについて)



1.DLNAクライアントになれる機器/ソフトウェア
  (テレビ番組以外のコンテンツについて)


DLNAクライアントになれる機器/ソフトウェア(テレビ番組以外のコンテンツについて)は、
私が知る範囲では、以下のとおりです。


・ Windows 7 パソコン
  パソコンのハードウェアがDLNAクライアントの機能を持っているのではなくて、
  パソコン上で動作するソフトウェアがDLNAクライアントの機能を持っています。
  私が知る範囲、以下のソフトウェアが、DLNAクライアントの機能を持っています。
   - Windows Media Player
   - PowerDVD 14 Ultra
   - SoftDMA 2


  Windows Media Player は、Windows 7 に標準で含まれているソフトウェアです。
  PowerDVD 14 Ultra、SoftDMA 2 は有償のソフトウェアで、別途購入してインストールする
  必要があります。


  私が試した範囲では、テレビ番組以外のコンテンツを再生できるかどうかについては、
  Windows Media Playerで再生できなかった、あるいは、スムーズに再生できなかったものが、
  PowerDVD 14 Ultra、SoftDMA 2 ではスムーズに再生できたというケースは少しありました
  が、大差はつかなかったです。


  また、DLNAソフトウェアとしては、他に DiXiM Digital TV plus というソフトウェアも
  あります。DiXiM Digital TV plus は、テレビの録画番組では、スロー再生や音声切替が
  サポートされているなど、優れたソフトウェアと言えるのですが、私が試した範囲、
  テレビ番組以外のコンテンツに関しては、Windows Media Player よりも劣るという結果に
  なりました。


  詳細は以下の記事を参照してください。
  - 各DLNAクライアントソフトで再生できたコンテンツ/再生できなかったコンテンツ


  そのため、この記事では、DiXiM Digital TV plus の詳細な説明は控えることにしました。

・ テレビ/レコーダー
  コンテンツが、Windows 7 パソコンに保存されている場合は、ほとんどのコンテンツが、
  テレビ/レコーダー上でも再生可能です。
  しかし、コンテンツが、NASに保存されている場合、再生できるコンテンツに、
  かなりの制限があります。


  原因は以下であると思われます。
  - テレビやレコーダーは、現状、インターネットからダウンロードした動画や音楽の
    形式に対応していない。
  - パソコンは、DLNAサーバーとして動作する場合、はトランスコード(DLNAクライアント側
    が再生可能な形式に変換する)を行うが、NASはトランスコードを行わない。


  これについては、現状は、利用者側で何とかするしかありません。(NAS上に配置すると、
  テレビ/レコーダーでは再生できないコンテンツは、パソコン上に配置するなど)


  以下の記事を参照してください。
  - IODATA LANDISK HDL-A2.0-8.DLNAサーバー機能を利用する-

  - バッファロー LinkStation LS-V2.0TLJ、LS-V1.0TLJ DLNAサーバー機能

・ ネットワークメディアプレーヤー
  私が持っているネットワークメディアプレーヤーは、バッファロー LT-V200 のみなので、
  それに関して説明します。


  コンテンツは、Windows 7 パソコン上に保存されている場合でも、NAS上に保存されている場合
  でも大部分のものが再生可能です。(あくまでテレビ番組以外はの話です)


  特に、NASに保存した wmv形式の動画 / mp3形式の音楽が再生できる点や、
  ネットワークカメラで撮影した動画(avi形式)が再生できる点が、
  テレビ/レコーダーには無いメリットです。


  そのため、NASに保存したwmv形式の動画や、ネットワークカメラで撮影した動画を、
  テレビの大画面で視聴したい人は、ネットワークメディアプレーヤーに、テレビのディスプレイを
  接続して視聴するのが1つの方法ということになります。


  詳細は以下の記事を参照してください。
  - バッファロー LinkTheater LT-V200で再生できたコンテンツ-NAS,PC上-


・ 携帯端末
  携帯端末に、Power Media Player をインストールすると、携帯端末を DLNAクライアントとし
  て使用することができます。と言っても、Power Media Player で認識できるDLNAサーバーは、
  PowerDVD (PowerDVD 13 または PowerDVD 14)のみなので、
  PowerDVD がパソコンにインストールしてあり、
  そのパソコンに視聴したいコンテンツが保存されていることが前提となります。

  Power Media Player では、ネットワークカメラで撮影した動画(avi形式の動画)は、
  再生することができませんでした。
  それ以外は、私が保持している範囲、特に再生できなかったコンテンツはありませんでした。

  詳細は以下の記事を参照してください。
  - Power Media PlayerのDLNAクライアント機能:PC上のコンテンツを iPhone上で再生



2.ネットワーク構成例


私が持っている機器のうち、テレビ番組以外のコンテンツに関して、
DLNAクライアントになれるものは以下のとおりです。

・ Windows 7 パソコン上で動作するソフトウェア
   - Windows Media Player
   - SoftDMA 2
   - PowerDVD 14 Ultra
・ テレビ/レコーダー
   - 東芝製テレビ REGZA 32J7 (*1)
   - Panasonic製テレビ VIERA X50 19V型 (*2)
・ ネットワークメディアプレーヤー
   - バッファロー LinkTheater LT-V200
・ 携帯端末:iPhone上で動作するソフトウェア
   - Power Media Player


(*1) 東芝製テレビ REGZA 32J7 は在庫がなくなり販売終了となったようです。
   代行機種については、最後の[ 東芝 REGZA 32J7 の代行機種 ]を参照してください。
(*2) Panasonic製テレビ VIERA X50 19V型 は在庫がなくなり販売終了となったようです。
   代行機種については、最後の[ Panasonic VIERA X50 19V型 の代行機種 ]を
   参照してください

私が持っているDLNAサーバー機と、DLNAクライアント機を、ネットワーク構成図として表すと
以下のようになります。

140601_01

注1.個別の機器を全てを図に含めるのは難しかったので、
  「Windows 7 パソコン」「NAS」などの製品の種別で表しています。


注2.DLNAサーバーと、DLNAクライアントの両方に含まれている機器、
  (例えば、「Windows 7 パソコン」)がありますが、
  DLNAサーバーとかDLNAクライアント専用に使用しているわけではなくて、
  どちらの用途にも使えるという意味で、両方に含めています。



3.DLNAクライアントの使用例(テレビ番組以外のコンテンツについて)


3.1 Windows 7 パソコンをDLNAクライアントとして使用


3.1.1 Windows Media Player をDLNAクライアントとして使用


Windows Media Player は Windows 7 に含まれているので、新規にソフトウェアをインストール
する必要はありません。


使用方法は以下のとおりです。
ここでは、例として、IODATA製のNAS(ここでのサーバー名はLANDISK-F24AB7)上の
動画を見る方法を示します。


(1) 画面下のツールバーの中のWindows Media Playerのボタン(下図赤枠で囲った部分)
  をクリック。
140606_01

(2) Windows Media Player が起動し、左側の[その他ライブラリ]の欄に、
  DLNAサーバー一覧(下図赤枠で囲った部分)が表示される。
140606_02

  この中から、見たいコンテンツを含んでいるDLNAサーバーをクリック。
  ここでは、LANDISK-F24AB7をクリック。
140606_03

(3) 見たいコンテンツが動画である場合は、[ビデオ](下図赤枠で囲った部分)を
  ダブルクリック。
140606_04

(4) [すべてのビデオ](下図赤枠で囲った部分)をダブルクリック。
140606_05

(5) 見たい動画をダブルクリック。
  ここでは、[MVI_0703](下図赤枠で囲った部分)をダブルクリック。
140606_06

(6) 動画[MVI_0703]が Windows Media Player で再生される。
140606_07



なお、同じIODATA製のNAS上の動画は、以下のようにして見ることもできます。


(1) 画面下のツールバーの中の Explorer のボタン(下図赤枠で囲った部分)をクリック。
140606_08

(2) Exploer が起動する。左側のメニューの一番下の、[ネットワーク]の左側(下図赤枠で囲った
  部分)をクリック。
140606_09

(3) ネットワーク上のサーバー一覧が表示される。(下図赤枠で囲った部分)
  この中から、見たいコンテンツを含んでいるDLNAサーバーをクリック。
  ここでは、LANDISK-F24AB7(下図オレンジ枠で囲った部分)をクリック。
140606_10

(4) LANDISK-F24AB7配下の共有フォルダが表示される。
  見たいコンテンツを含んでいる共有フォルダをクリック。
  ここでは、[contents](下図赤枠で囲った部分)をクリック。
140606_11

(5) 見たい動画を含んでいるフォルダをクリック。
  ここでは、[video](下図赤枠で囲った部分)をクリック。
140606_12

(6) 見たい動画をクリック。
  ここでは、[MVI_0703.MOV](下図赤枠で囲った部分)を右クリック。
140606_13

(7) [プログラムから開く](下図オレンジ枠で囲った部分)の中から、
  [Windows Media Player](下図赤枠で囲った部分)をクリック。
140606_14

(8) 動画[MVI_0703]が Windows Media Player で再生される。
140606_15


前者の方法は、Widows Media Player をDLNAクライアントとして使用した方法ですが、
後者の方法は、実のところ、Windows Media Player をDLNAクライアントとして使用した
わけではなくて、WindowsのSMBの機能で動画をWindows上に読み込んだ後、
Windows Media Player で再生しています。


しかし、利用する側から見れば、同じように再生できれば問題ないわけですし、
実際問題、私の経験では、後者の方法のほうが、一度完全にメモリに読み込んでから再生する
せいか、滑らかに再生されることが多いので、後者の方法で再生できるコンテンツに関しては、
後者の方法で再生するほうが、むしろ、おすすめであったりします。



3.1.2 PowerDVD 14 Ultra をDLNAクライアントとして使用


PowerDVD 14 Ultra は有償のソフトウェアです。別途購入してインストールする必要があります。
使用方法については、以下の記事を参照してください。
- PowerDVD 14 Ultra の使い方-DLNAクライアント機能-



3.1.3 SoftDMA 2 をDLNAクライアントとして使用


PowerDVD 14 Ultra は有償のソフトウェアです。別途購入してインストールする必要があります。
使用方法については、以下の記事を参照してください。
- SoftDMA 2 の使い方-DTCP-IP対応DLNAクライアント機能-
 の「付録A.SoftDMA 2 でテレビの録画番組以外のコンテンツを再生する方法」



3.2 テレビ/レコーダーをDLNAクライアントとして使用

東芝製テレビ REGZA 32J7 をDLNAクライアントとして使用する方法については、
以下の記事を参照してください。
東芝 REGZA 32J7 DLNAクライアント機能
 ※この記事で示している使用方法は、直接的には、他の機器のテレビ番組録画を再生
   する方法ですが、テレビ番組録画以外のコンテンツについても、再生方法は同様です。

Panasonic製テレビ VIERA X50 を DLNAクライアントとして使用する方法については、
以下の記事を参照してください。
Panasonic VIERA X50 のDLNAクライアント機能
 ※「2.3 パソコン上のコンテンツを、ネットワーク経由で、テレビ(Panasonic VIERA
   X50 19V型)に転送して再生」がテレビ録画番組以外を再生している例となって
   います。

Panasonic製レコーダー DIGA DMR-BWT520 を DLNAクライアントとして使用する方法
については、以下の記事を参照してください。
- Panasonic DIGA DMR-BWT520 のDLNAクライアント機能


3.3 バッファロー LT-V200 をDLNAクライアントとして使用


バッファロー LT-V200 の DLNAクライアントとしての使用方法については、
以下の記事を参照してください。
- バッファロー LinkTheater LT-V200 DLNAクライアント機能



3.4 iPhoneを DLNAクライアントとして使用


iPhoneに、Power Media Player というアプリをインストールすれば、
iPhoneを DLNAクライアントとして使用できます。
ただし、認識できるDLNAサーバーは、PowerDVD( PowerDVD 13 または PowerDVD 14 )を
インストールしたパソコンのみです。


iPhone上で Power Media Player を DLNAクライアントとして使用する方法については、
以下の記事を参照してくだい。
- Power Media PlayerのDLNAクライアント機能:PC上のコンテンツを iPhone上で再生
Power Media PlayerのDLNAクライアント機能:PC上のコンテンツをiPhone上にダウンロード



[ 東芝 REGZA 32J7 の代行機種 ]
東芝 REGZA 32J7 は、在庫がなくなり販売終了となったようです。
もし東芝 REGZA を購入されるのでしたら、私としては、画面サイズ以外は、
東芝 REGZA 32J7 と全く同機能である東芝 REGZA 40J7 を推奨いたします。



[ Panasonic VIERA X50 19V型 の代行機種 ]
Panasonic VIERA X50 19V型(型番:TH-L19X50) は
生産終息となり、現在は、販売もほとんどされていません。

このテレビの持つ全機能を持った後継機種は高額(9万円以上)なものばかりです。

このテレビのもつ機能を、全機能でなくても、よく使いそうな機能をカバーしていて、
価格が比較的低く押さえられている機種としては、以下のものがあり、私としては、
Panasonic製のテレビ(VIERA) を買うなら、この辺りの機種がおすすめの機種となります。

以下に機能の比較表を掲載しておきます。


機能TH-L19X50TH-L19C50TH-L24X6TH-L42E60
有線LAN
無線LAN×
DLNAクライアント(*1)
DLNAサーバー(*2)××
DMR××
VIERA Remote××
SDカード××
字幕
アクトビラ×
YouTube××
TSUTAYA TV×
Skype××
価格(*3)27,700円34,728円74,800円
(*1) Panasonicでは「お部屋ジャンプリンク」と呼んでいます。
(*2) Panasonicでは「お部屋ジャンプリンクサーバー機能」と呼んでいます。
(*3) 2013.11.17時点のAmazonでの価格。


DLNAソフトウェア一般論/製品比較の記事一覧
(1) DTCP-IP対応DLNAクライアントソフト
(2) 音声切替
(3) DTCP-IP対応DLNAクライアントソフトの比較
(4) 動画再生ソフトの比較
(5) 各DLNAクライアントソフトで再生できたコンテンツ/再生できなかったコンテンツ
(6) DTCP-IP対応DLNAクライアントソフトウェアの字幕表示機能
(7) IODATA LANDISK HDL-A2.0にムーブしたテレビ番組録画をパソコンで視聴
(8) バッファロー LinkStation LS-V2.0TLJにムーブしたテレビ番組録画をパソコンで視聴
(9) DTCP-IP対応DLNAサーバーになれる機器
(10) DTCP-IP対応DLNAクライアントになれる機器/ソフトウェア
(11) DLNAサーバーになれる機器(テレビ番組以外のコンテンツについて)
(12) DLNAクライアントになれる機器/ソフトウェア(テレビ番組以外のコンテンツについて)
(13) DTCP-IP対応DLNAクライアントソフト導入時のネットワーク構成